令和二年七月場所十一日目の翠富士のこと

十両最初の取り組み、富士東-翠富士戦が素晴らしかった。

http://www.sumo.or.jp/ResultRikishiDataDaicho/torikumi?day=11&kakuzuke=2&basho_id=600

えびすこ(大食い)で突き押しなベテラン富士東が、久々に関取復帰した場所。
対する小兵の翠富士はまだ十両2場所目、後が少ない十二枚目で7日目まで2勝5敗と厳しい成績だったのを、3連勝で5勝5敗の5分に戻しての一番。

立ち合い、低く迫った翠富士だが突いては圧力十分の富士東。懐へ潜り込もうとするのを、防いでは突いて押し進む。
翠富士も見事に下から手をあてがって、富士東の突きを外しては堪えるが、完全に土俵の上ギリギリに足が引っかかる状態に。
どうみても、勝負あったかと思ったら……ここからが見事だった。

最後のひと押しとばかりに身体ごと寄る富士東に対して、土俵上を右回りにかわしながら、密着した一瞬を見逃さず、ついに翠富士の右が差し込まれる。
そう、その瞬間、前に倒れる富士東と右に回りきる翠富士。決まり手は「肩透かし」。

絶体絶命な攻防で、右が入った瞬間の大逆転劇に、動画を見ていた電車内で思わず感動してしまった。

スローで再生すると、右が入ったと思われる瞬間に、既に左手が抜けて頭を押させかかっており、全く鮮やかな流れだった。見事としか言えない。


翠富士には、一緒に大学を中退して入門した同期の戦友、錦富士がいます。錦富士・翠富士の二人関取を期待されていたのですが、錦富士は怪我により幕下で足踏み。
その間に翠富士が先に十両へ上がっていました。
今場所の錦富士は幕下三枚目の好位置から、既に4勝勝ち越し。さらに星を伸ばして今場所で十両昇進が決まっても、翠富士が残れなかったら「同時関取」がまた先に延びてしまうのです。
彼らの実力なら、いずれ必ず果たされるでしょう。けれどファンは、一場所でも早く見たいのです。

そんな期待をした6勝5敗の成績。
兎に角、鮮やかな一番に感動して、初めて相撲の事を日記にしてみました。慣れないから時間かかるね。