空を飛べば抜け出せたのか

今日はリンドバーグが大西洋無着陸横断飛行をした日です。1927年のことでした。「新しいこと」に飢えていたジャズエイジアメリカが、この英雄的快挙に沸き立ったのでした。

数年にわたってアメリカ国民は精神的飢餓状態にあった。彼らは次から次へと以前の理想や幻想、希望が壊されていくことに気付きつつあった。宗教の土台を崩しその感傷的な考えを嘲る科学の教義と心理学説によって、そして猥雑と殺人とで食っている新聞の傾向によって壊されていくのだ。人々のリンドバーグに対する気持ちが、巨大な宗教が復活したかのような様相を呈したことに何の不思議があろうか。
F・アレン『オンリー・イエスタデイ』

まさに今日ばりの消費文明。…まぁ、それでも「1つのニュース」に全国民が食いつく所が、20世紀的ですが。もう、ありえない。

何か光り輝く異様なものが空をよぎった。同世代の人々とは何も共通点を持たないかに見えた一人のミネソタ出身の若者が英雄的行為を成し遂げた。しばらくの間人々はカントリークラブで、もぐり酒場でグラスを下におき最良の夢に思いを馳せた。そうか、空を飛べば抜け出せたのか。我々の定まることを知らない血は果てしない大空にならフロンティアを見つけられたかもしれなかったのだ。しかし我々はもう引き返せなくなっていた。ジャズ・エイジは続いていた。我々はまたグラスをあげるのだった。
S・フィッツジェラルドジャズ・エイジのこだま』

キマさんが大好きな感じの更新にしてみました。
参考:http://geo05.gaia.h.kyoto-u.ac.jp/~saito/eizou/index.htm