先週の読了(中)

子どもがニートになったなら (生活人新書)

子どもがニートになったなら (生活人新書)

写真で見た玄田先生が想像よりかっこよかった!(…というのは、とりあえず置いといて

改めて、雇用に限らず日本の若年層を取り巻く現状…の一端でも感じることが出来たのか、と思います。多分ね、多分。
色々思うことはあったのですが、1つだけ、私が思ったことを選ぶのなら。

小島 (中略)自分が生まれてから将来のことまでを、「自分時計」という形式のワークシートに書いてもらいました。そうすると、やっぱり進学校に行っている子たちの将来は、大学のところで終わっちゃうのです。将来的な夢とか不安というのは、ほとんどが進学的なものでしかないのです。
小杉 目の前のことですね。
小島 そうなんです。ところが偏差値が真ん中くらいで大学の進学率はちゃんとあるというぐらいの学校の子どもたちは、ものすごくしっかり書いてます。この違いは何なのか。
(P.125)*1

えーと、私です。
実は、高校時代の家庭科の時間だったろうか、こんな感じの自分の一生を書く時間があったのですが……。(面白いことに、あの頃の自分が諦めていた程度に、やはり所詮その程度の人間だった事が事実として明らかになったのが、ちょうど去年までの人生であります。)
「高校を出た後、まぁ、どっか行ける程度の大学で歴史をやって…でも、この就職難の時代、自分なんてきっと企業社会から選ばれるハズもないから、どうせ今流行りの就職浪人になって、でも2年も活動してれば、きっとどっかには引っ掛かるさ……」
と書いたところでリアルな思考は一切途切れます。その後、死ぬまでの予定を書かなくてはならなかったのですが、多分、嘘くさいことを幾つか並べて提出したと思いましたが、私の心の中では全くの白紙回答でした。
ご存じの通り、あの頃に漠然と思っていた不安と希望の通りに、いや、その程度にしか生きてません。あまりの当たり具合に、自分を見る目があったのか、何なのか。
将来のことも、深い霧の向こうです。そういえば、「いつ頃結婚して、子どもはいつ、どのくらい…」みたいな事で楽しんでた人たちもいたようですが、やはり私の回答は白紙でした。一応、授業の手前「…35くらいまでに結婚出来てたら出来るんだろうし、まだだったら、きっと無理」みたいな、それは計画とすら言えないようなことを書いてお茶を濁していたと思います。
もちろん、就職すると言っても、どんなところで何をしているのか…とりあえず、きっと何かのサラリーマンだ、としか思えませんでした。そういった意味じゃ、完全に営業主体の会社に入ったのは少しだけ予想外だったけれど……まぁ、単に内定がココだけだった何て事情は当時の私には知る由もなかったでしょう。

さて、これだけじゃ本にかこつけた、単なるオレオレ話ですね。

ところで、小島さんの仰った「この違い」って、何なのでしょうか。ウチの高校の進学率が確か毎年98%くらい*2、そしてウチの妹の高校が「偏差値が真ん中くらい*3で大学の進学率はちゃんとあるというぐらいの学校」だったりして、何となくウチの兄妹で試しに比べてみる事にしてみました。…というか、私のオリジナルでなく誰かから聞いた評価、かな。
一言で言うと「妹の方が、生きてけそう」。
正確には多少違ったニュアンスな気もしますが、私が感じた解釈だと、こんな感じ。何だろう、以前*4私が自分を評して「生きるパワーがない人」と言ってたのですが、そこがポイントだと思うのです。今すぐ死ぬワケじゃないけど、生きてないって感じ。敢えてかっこつけると、Living Dead.
小島さんによると「生活感」に現れるそうです。「勉強をしてれば、どうにかなる」という価値観だそうで。私の場合は、歴史なんてモノに興味を持ってしまったが為、ある意味では「勉強してもどうにもならない」という事実自体は簡単に目に入っていたのですが*5、ただ価値観となると…確かに「大学を出て就職」というコース以外は今でもあまり考えられず、その就職の条件を考えても、結局これという中身を思いつかないあたり、勉強に代わる価値観を打ち立てられない、逃れられない、つまり生活感がない、というところに納得な気がしました。
そして、これが私だけでなく、ある意味、日本全体を覆う気分の一部分である…と知って、驚き半分、「あぁ、やっぱり」が半分といったところです。
(生きる実感、消費者、ライフコース(パイプライン)、希望…色んな単語が中途半端に脳内でリンクって錯綜してますが、やっぱりバカだからまとまりませんでしたし、本からは離れちゃいますよね)

*1:小島貴子氏と小杉礼子氏の対談より

*2:浪人→進学含む…だったかな

*3:55くらいだと思う

*4:といっても、ほんの数ヶ月前

*5:諦めていたくせに、就活に到って、今までの自分の「生」全てが社会的に無意味であった事実に耐え難く、また、結局自分なんて学部生にしたってあまりに学問に対してやる気がない様を見せつけられて、何だろう価値観喪失みたいに、かなり取り乱した時期もありましたが