2020年の個人的な増田文学・増田文芸を振り返って

あけましておめでとうございます。
皆様インターネット生活を楽しんでいらっしゃいますか?

2020年の増田文学を振り返った投稿が相次いでるようなので、自分も何か書こうかなと思った次第であります。
そこで自分のはてなブックマークを読み返して、ブクマされた増田を紹介をしたいと考えました。

さて、私は「増田文学」「増田文芸」「増田小説」という3つのタグを使っています。厳密な区分はないのですが、「小説・文芸として意識して書かれた増田」については後者2つのどちらかを使っています。Web小説っぽいと増田小説、個人的に表現や文体に面白さを感じた時は増田文芸になるのかな。
そして増田文学ですが、増田文芸の中でもテーマ性を感じるものや、創作ではないのに文学性を帯びてしまった魂の叫び増田などにおおよそ用いています。
全てはブクマした瞬間の気分なので、厳密な定義ではございません。

増田小説の部

anond.hatelabo.jp
anond.hatelabo.jp
この2作だけでした。このタグ、きっと使わなくなるな……。

増田文芸の部

2020年は「オメガラーメン」シリーズや、似た雰囲気をまとった一群がとても好きでした。個別に「オメガラーメン」タグを付けたほど。

anond.hatelabo.jp
「三文話だよね。自分で書いてて、たいして面白くないわ。俺は団鬼六になれない。」 筋書よりも、この一文に文学を感じて惹かれました。増田文学とダブルエントリーです。

ここから先は荒川区と北区の増田という増田にまとめられた一群が並びます。

anond.hatelabo.jp
個人的な思い出なのですが、最後に尾久駅で降りたのは、同い年だった友人の葬儀でした。尾久から都電荒川線に向かって歩いたのかな。だから「思い出なんて、贅沢だよ」というテーマが刺さってしまって。
anond.hatelabo.jp
連作ですよね、これは。書かれたのは、こちらの方が先でした。
anond.hatelabo.jp
すごいですよね、2020年5月。こんな秀作がいくつも出てくるんだから。これは300ブクマを超えたし、私も増田文学タグも付けてます。

anond.hatelabo.jp
これは極端に改行のないオメガラーメン。
anond.hatelabo.jp
舞台が関西である事と、追記がある珍しいタイプの文芸増田。東京以外がもっと増えても良いですよね。
anond.hatelabo.jp
直接的に感情を表す単語を使わずに、見聞きして考えた事を辿るだけで、都心の若者のうつろい的なものを描いてるのは上手いなぁ……と思います。普段から文章を書き慣れてる人の技ですよね。
anond.hatelabo.jp
自分は「増田文芸」でタグを付けて、「増田文学」にはしなかったんだな。確かに、これは好きな文芸だ。表現だ。
anond.hatelabo.jp
熱いノンフィクションながら、これも「増田文芸」でブクマしていました。

実は、この時点で2020年の増田文芸タグは終わってしまいました。秋以降、私の増田離れ・ブクマ離れがあったのだと思います。同時に増田も文芸離れしていたのでしょうか。

増田文学の部

増田文芸とのダブルエントリーは飛ばします。

anond.hatelabo.jp
増田の生き様に文学を感じてしまった系。「それは洗練された文芸でなくとも、増田自身が帯びる文学性みたいなものかもしれません。」という増田文学論をブコメで展開。
anond.hatelabo.jp
いま読むと、文章のボリュームから配分まで、まるで計算されているよう。女の子との体験を多めに、つい書いてしまいがちな個人的な感傷を圧倒的に抑えている。うまいね。
anond.hatelabo.jp
そりゃ文学だけど……。
anond.hatelabo.jp
怪作だった。面白いのに、手から握力が急速に失われる呪いの増田。自分のブコメも意味不明で全く面白くなく、混乱ぶりが見て取れる。
anond.hatelabo.jp
他のシリーズは増田文芸タグなのに、これは増田文学タグなのは、多分個人の好み。タイトルの取り方が刺さるね。シチュエーションも好き。
anond.hatelabo.jp
これは圧倒的に良い増田文学だなと思ってます。
anond.hatelabo.jp
嘘か誠か、あるいは何がメインなのか、増田にしてやられた。引き込む文章が上手いので、どこまでが本当なのか全くわからないというか、うまく手玉に取られた事を楽しむタイプの増田だった。

増田文学タグは、本数こそ厳選されていますが、年末まで続いていました。これはおそらく、増田離れをしつつも読んだ増田に文学性を感じてしまったら結果的に付けているからだと思います。

オメガラーメン増田について

オメガラーメンは作風が少なくとも2系統あると思っています。ひとつは「荒川区と北区の増田」に近い雰囲気の系統で、主に男女の会話で話が進むシリーズ。(ただ、今思うとオメガに比べて「荒川区と北区の増田」系の方が時間の経過を示すような締めで、過去への想いを強く感じる気がします)
ふたつ目は鍵括弧を使った会話をせず、短く区切った地の文章をポンポンと繰り出してくる、今この時を切り取るかのようなスタイルです。
もうひとつは?(ここでブクマカが大喜利
……結果的に作者が1人であれ、複数であれ、実に面白い一群であったと思います。

総評

2020年の増田については、各増田論者が指摘する通りに色々な事が重なって、増田が読みづらかった年なのは間違いありません。
しかし、その中でも増田文学・増田文芸は途絶えることなく、ブクマ数は少ないとしても光る作品が多い、隠れ豊作だったとも思います。
それに加えて自分の好みについて過去のブクマも掘り返したのですが、男の哀愁系が笑える実録調だと増田文学に、シリアスだと増田文芸に分類される傾向が高い気がしてきました。