今日まで読んだ本

さて、前段の引用は、つまり今日の状況説明。書泉で買い物してきたよ、って。

その前に今日の読了本。

モダンガール論 (文春文庫)

モダンガール論 (文春文庫)

20世紀の女性を欲望史観から省みる…と、本文中に書いてあることをそのまんま言ってみる。自分が凡庸な説明をすれば女性のライフコース史みたいな感じかな?
非常にすんなりと読みやすい文体だし、話の順序もわかりやすいです。そして面白い…って、これは主観だけどね。(笑)
ライフコースにしても、事件にしても、当事者になればなかなか見えづらいだろうけど、そこには社会的構造という背景があるんだろうなぁ…とは、私も常々思う所であります。そして、私自身は基本的に男性としてこの本を読んだワケなのですが、面白いことに、女性の生き方についての記述の中から、浮かび上がるように社会と男性の生き方とが、自動的に思い起こされるのでした。そんなこと、全く書いてないのにね。
少し関係ないけど、昔言ったことで思い出したことが。それぞれ、その時代にはその時代が戦うべき課題があるんだ、って言った事があるけど*1、当然、同時代であっても、人にはそれぞれに応じての領域があるんじゃないかと感じてます*2。…が、その「自分なりの成功」だけがクローズアップされても、今度は構造やら階級に手を加えないままでの競争が激化するだけだしなぁ……。

その直前に読み終わった本。

召使いたちの大英帝国 (新書y)

召使いたちの大英帝国 (新書y)

ヴィクトリアンメイドに親しめる本。(違
まぁ、真面目に書くと、英国ヴィクトリア朝時代の使用人階級について楽しく学べる本です。新書らしい気軽さがいいかもしれません。本当に「召使い」のことに特化したテーマ史みたいなもので、英国史や階級史についての素養が全くない私でも楽しめました。スチュワードとバトラー、どちらも「執事」だと漠然と思っていたのですが、その違いも一目瞭然。というか、スチュワードの方が偉いんだね。「家令」と訳されるそうですが、中古〜中世での公卿家に於ける政所の別当みたいな感じだと思います。まぁ日本の中世前後ほどに「家」自体が公的な集団というワケではなさそうなので、家政の範囲も生活上の取り仕切りに限られるのでしょうが。
↑の『モダンガール論』を読む前に読めてよかったと思います。

*1:単純に「昔の人は苦労したから偉い」と、純粋に言われてしまった事があって。となると、問題を解決していけばしていくほど、人類は退廃していくのだろうか、人類は退廃する為に発展するのだろうか…と疑問だったので。まぁ、今思えば、そもそも「人類は発展している」という発展史観自体が常に正しいワケじゃないのですが…

*2:だがしかし、「それぞれの仕事がある」を最初に意識したのは、高校時代に読んだ『ブギーポップは笑わない』の第一章のラストだからなぁ…なんて健全な中二病患者だったんだろう(苦笑